作る人が安全で食べる人が安心できるバナナのサイト
- クライアント
- パシフィックトレードジャパン
- 制作物
- ウェブサイト、システム構築
- 担当領域
- プロジェクト進行管理、企画、サイト設計、システム開発、デザイン
- ウェブサイト
プロジェクト概要
全国の生活協同組合を中心に、無農薬のタイ産バナナ「ホムトンバナナ」を提供されているパシフィックトレードジャパン様より、ホームページの全面リニューアルのご相談をいただきました。
以前のサイトは情報量が多く、整理が必要な状態でしたが、今回のリニューアルでは構成の見直しとデザインの刷新を行い、より伝わりやすく、使いやすいサイトへと再構築しました。また、バナナに貼付された番号から生産者情報を検索できる既存のシステムについても、レンタルサーバーの移行に伴い、最新の環境に対応した形で再構築を行いました。
Approach作る人との繋がりを実感
1993年にホムトンバナナ事業を始められたきっかけは、「農薬を使わずにつくったバナナが食べたい」という消費者の声でした。バナナといえば、大規模なプランテーションでの栽培が一般的ですが、ホムトンバナナは、個人農家がそれぞれの小さな畑で育てているのが特徴です。栽培中に農薬や除草剤は一切使わず、微生物による土壌改良や自家製有機たい肥の使用など、安心・安全なバナナづくりのための工夫と努力が続けられています。
そうした無農薬バナナへのこだわりをただの商品紹介として届けるのではなく、バナナを手に取る方がその背景に触れ、生産者とのつながりを感じられる場となることを目指しました。
Creative検索システムとストーリー性の両立を意識したUI設計
バナナのサイトリニューアルと聞くと、きれいで美味しそうなバナナの写真が並ぶ、デザイン性の高いサイトを想像されるかもしれません。しかし今回のリニューアルでは、「作る人とのつながりを実感できること」が最大の目的。ホムトンバナナ事業の背景や特徴、タイ王国で誠実に栽培を続ける生産者や農民会の方々の想いを、丁寧に、わかりやすく伝えることを重視。そのため、ナビゲーションメニューの構成を見直し、生産者検索窓を常時表示するなど、ユーザビリティとストーリー性の両立を意識した設計としています。
Result“見える”ことでつながる、これからの食のかたち
私たちが日々口にする食べ物は、当たり前のように身近にあります。けれどその一つひとつには、誰かの手間や想い、そして工夫と努力が込められています。ホムトンバナナの取り組みは、そうした背景に目を向ける大切さを教えてくれます。
「食の安全」とは、単に農薬や添加物を使っていないということだけでなく、どこで、誰が、どんな想いで育てたかが“見える”こともまた、大切な要素だと感じています。顔の見える関係があることで、食べる人はより安心でき、作る人の努力はより正当に評価される。そんな信頼の循環が、これからの食のあり方に必要なのではないでしょうか。このサイトが、そのきっかけのひとつとなり、生産と消費がより近く、温かくつながる未来への橋渡しになれば幸いです。
今後も、お客様の事業や想いに寄り添いながら、私たちもまた、より良い社会づくりに貢献していければと考えています。